バタフライの「第1キック」、本当の役割とは?
■この記事でわかること
・「第1キック」の正しい位置づけと意識の仕方
・足の動きや曲げる角度についての具体的なアドバイス
・キックのタイミングと手との連動方法
・より“美しく楽に泳ぐ”ためのヒント
■現代の間違った認識
バタフライのキックについて、こんなふうに感じたことありませんか?
「細かく、速くキックしないと進まない」
「膝を大きく曲げたら、水の上に足が出ちゃうのでは?」
「手と足は同時に動かすもの」
実は、これらは 少し誤解があるかもしれません。
特に「第1キック」は、推進力を得るというより、動作をサポートする役割が強いんです。
それでは詳しく見ていきましょう。
■第1キックの位置づけ:「サポート役」としての意識
バタフライを教えていたり、実際に見ていて思うのは、
「第1キックってサポートなんじゃないかな?」ということ。
「うねりがうまくいかない」「進まない」って感じる方は、
このサポート役のキックをちゃんと使えていないケースが多いように思います。
■足の曲げ方:膝はしっかり曲げてOK!
映像を止めながら確認してみると──
膝の角度、実は80~90度くらいまでしっかり曲げているんです。
曲げが甘いと、キックがただの“バタつき”になってしまいます。
思いきって膝を曲げると、体全体の動きにも弾みが生まれます。
【ポイント】
- 細かく小さなキックよりも、「大きくしっかり曲げる」方が効果的
- 膝がしっかり曲がっても、体重移動が正しければ足は水面から出ません
■足が水面から出ちゃう問題:それ、本当にダメ?
「膝を大きく曲げたら、足が水から出るんじゃない?」
そんなふうに思う方もいるかもしれません。
でも、次のような視点で考えてみてください。
× 足が出ないように浅く曲げる
○ 正しい体重移動と角度で蹴れば、しっかり曲げても足は出ない
最初の練習ではむしろ“水が跳ねるくらい”のキックでOK。
それくらい大きく蹴ることで、体の可動域やタイミングが掴めてきます。
■タイミング:手と足は「同時」じゃない
バタフライにおいて、キックの順番って実はとっても大事なんです。
結論から言うと、
手が水に入ってから、第1キックをする
これが理想です。手と足を同時に動かしてしまうと、うねりが出ないし、推進力も落ちちゃいます。
【流れのイメージ】
- 手が水に入る
- 体が沈み始める
- そこでキックを打つ(潜る動きが自然になる)
この「ストーリー」がちゃんとあることが大事です。
■キックの質:「引き」と「蹴り」は別物
第1キックの動作には、2つのフェーズがあります。
- 引く(縮める)動き:ゆっくり
- 蹴る(伸ばす)動き:強く、しっかり
イメージとしてはバネのように、「ためて」「はじく」。
1はゆっくり、2は力強くが基本です。
1(縮める):優しく、静かに キック
2(蹴る):大胆に、思いきり
■練習方法の提案:ステップに分けて意識しよう
練習する際には、目的を明確に分けてやってみてください。
- うねり練習 → キック練習 → 合わせてコンビ練習
- 足だけ練習では、とにかく「大きく曲げる」がポイント
■最後に:あなたの泳ぎをもっと楽に、美しく
「第1キックってこんなに深く考えたことなかった!」
そう思った方も多いかもしれません。
でも、ちょっとした意識のズレや誤解を解くだけで、泳ぎはグンと変わります。
大切なのは順番。動き方よりも、動く順番。
今日の内容が、あなたの泳ぎに少しでもプラスになれば嬉しいです。
もし参考になったら、コメントやチャンネル登録で教えてもらえると励みになります。
それでは、また次回のレッスンでお会いしましょう!